AT車のギァのレンジは、P、R、N、Dと並んでいます。Dの次は、2とかBなど作りによって変わります。停車、バック、ニュートラル、ドライブの機能です。記事では、PレンジとNレンジの違いを勘違いとともに、Nレンジが不要だと記載されていました。驚異的な勘違いです。
そもそも、基本的な機能は、バックのRレンジからいきなり前進のDレンジに移動を防ぐ機能はあるのですが。それ以外に重要な機能があります。一番有効なのが、Dレンジから簡単にニュートラルの移れる点です。この仕様を活用すると車にも運転にも優しい使い方が出来ます。延いては、環境にも優しいのです。
記事では、Pレンジの代わりにNレンジとパーキングブレーキを使う事の危険性を説明しています。パーキングブレーキは、ギアを入れた状態を想定しているので、あまり強くないのは自明のこと。だからといって、そういう使い方のみに着目することは、おかしいと思います。この項目は、運転する人にとっては常識の範囲です。
説明では、パーキングブレーキは、後輪のブレーキ。Pレンジは、ギヤが固定する。つまり、前輪のブレーキ効果。だから、4輪でシッカリと止まると言う様な解説がありました。前輪駆動しか知らない世代の記者なのかな。
Nレンジの有効な使い方は、信号で止まる時の直前から止まっている間の活用です。何もせずにブレーキで止まろうとすると、エンジンブレーキからクリープ現象に移行します。ブレーキを掛けている状態から、前に進もうという動作に変わるのです。この時に、Nレンジの意味が出てきます。まだ動いているタイミングなので、当然、Pレンジは使えませんし。そもそも、Rレンジを通るので不可能です。
このクリープ現象に移行した時にNレンジを使う意味は、ブレーキの負荷を抑えることです。前に進もうとしている状態にブレーキを掛けるよりも、進もうとしない状態で掛ける方が良いのです。ブレーキの摩耗を抑える効果はあるし、ブレーキの摩擦熱も抑えられます。効果的にブレーキが利くので、スムーズさも実現できます。
さらに、停止した後、Pレンジに移動するのは、完全に停止してボタンを押しながら操作する必要があります。ところが、Nレンジは、いつでもワンタッチで操作ができます。信号で停止した時に、Pレンジにしてブレーキを離すよりも、Nレンジでブレーキを踏んだままが簡単です。
勿論、特殊なケースで長く止まる時は、Pレンジが有効な場合もあるでしょう。しかし、Nレンジ不要論には驚きました。改めて、ネットで検索すると、この情報に溢れていました。何も考えない情報の拡散。最近、ネットの嘘が問題となっています。本人が気付いていないとは、恐ろしいことです。